起承転結

道を歩いていたら,白い小鳥が落ちていた.
めずらしいので持って帰った.
とりあえずなにか飲ませてやろうと思った.
冷蔵庫を開けると野菜ジュースがあった.
少し飲んだ.ピィと鳴いた.
次の日も野菜ジュースがあった.
次の日も野菜ジュースだった.
だんだん元気になってきて嬉しい.
でも最近なんだかおかしい.
今日は1か月ぶりのおやすみだ.あさねぼう.
ぴぃぴぃぴぃ.おこされた.
なんだか紅いものがいた.
そうか金糸雀だったのか.

…たとえばこれはプロットというものだ.
あとになればなるほど具体的になっていく.

ある日帰宅中に白い小鳥を拾った.
冷蔵庫を開けた際に野菜ジュースが眼に入ったのでそれを飲ませ,
以後も飲ませつづけた.
久しぶりの休日,鳴き声で眼を覚ますと,紅いものが眼に入った.
それが金糸雀であったことを,そのとき初めて知った.

これはちょっとサマリーっぽい.
語彙を減らし,過程を廃し,結論のみを簡潔に.
結局さっきのいろいろは,この最後の「初めて」に集約されてしまっている.